今、手持ちのBYREDOの香水で一番気に入っている香りは何かと聞かれたら、ACCORD OUD(アコードウード)をあげる。
ウード系なら一度試したいと思っていたのがACCORD OUD。
BYREDOにはOUD IMMORTEL(ウード イモーテル)と言う最強なウード香水があるので、そのバリエーションとしてのウード系香水かも知れないなと思っていた。
OUD IMMORTELは宗教的で重厚な香りで纏う人を選ぶが、ACCORD OUDはより日常的に使える世俗性へ落とし込んだ魅惑的な香りだ。
初めてACCORD OUDをつけたトップの感じはOUD IMMORTELの香りの立ち上がりに通じる、樟脳(しょうのう)のような強い香りが一瞬鼻を突くが、その後すぐにその刺激はスーッと消えて行き、ラム酒やサフランの遊興的な甘い香りが脳をくらくらさせる。
トップ、ミドル、ベースの香りの変化がはっきりしており、時間経過とともに変わる香りがどのタイミングも良い香りだ。柑橘系やフラワー系には無い、甘いカラメルのような香りが持続する。
バターやカラメルにラム酒を垂らしたような感じとでも言えばよいのか、レザーやベースノートのパウダリームスクにパチョリと言った香りが単体で際立つ事は無く、絶妙な芳しさが生まれている。
マスク着用時にACCODE OUDをワンプッシュしてから出かけた先で、近くにいた友人から「とても良い香りがする。」と言われた事が2、3度あった。この「良い香り」は「薫った事の無い良い香りがする。」と言う意味合いで「何の香りかしら?」と言う事でわざわざ声をかけてくれたのだと思う。
BLANCHEやGYPSY WATERはあまりにポピュラーで飽き足りないと言う方へ、次なる香りとしてお勧めしたいのがACCODE OUDだ。香りが他の誰かと被ってしまう事もあまり無さそうだ。また、オリエンタルで遊興的な世界観を遊楽し、五感を自由に開放してくれる香りとして取り入れたい。
ちなみに、ACCODE(アコード)は調和・協定・一致と言った意味で 香水用語としては「香りの調和」をさす言葉だそうで、 複数の香料を調香した際のバランスを意味するそうだ。
香りの構成
トップノート:ブラックベリー、ラム、サフラン
ミドルノート:クラリセージ、レザーアコード
ベースノート:パチョリ、パウダリームスク
◇ブラックベリー
◇ラム
◇サフラン
サフランは独特のある香りで水に溶かすと綺麗な黄色に変わる。
カレーのごはんなどにサフランを使用していることで知られ、主に香辛料として使用される。
◇クラリセージ
シソ科のハーブ。甘みと温かみを含んだスパイシーな香りを持ち、中世にはこの甘い香りを利用して、ビールやマスカットワインの香り付け、リキュールの香料とされていた。
◇レザーアコード
◇パチョリ
パチョリは東南アジアが原産の常緑多年草。シソ科ミズトラノオ属の植物でハーブの一種。、主に精油に加工され利用され、古くから香や香水に用いられている。防虫剤としても使用されていた。エキゾチックでスモーキーな墨汁のような香りは、時間が経つにつれローズのような香りに変化する。
◇パウダリームスク
元来ムスクとはネパールやヒマラヤなどに生息するシカ、雄のジャコウシカから採れる香料だった。現在、ムスクと言われているのは合成ムスクで、人工的に本物のムスクの香りに似せてつくられた香料の総称。