BYREDOの OUD IMMORTEL(ウードインモーテル)やACCORD OUD(アコードウード)好きにとって、次なるオリエンタル系の香りとして気になるのはENCENS CHEMBUR(アンサンションブール)ではないだろうか。
OUD IMMORTEL(ウードインモーテル)はダライラマのような高僧の纏う香り、ACCORD OUD(アコードウード)は妖艶な尼僧の纏う香りと言ったイメージ。
では、ENCENS CHEMBUR(アンサンションブール)はと言うと、明るく陽気、レモンリキッドを絞ったジンジャーエールがスパークし、ナツメグの香りが加わる事で、ネパール系のインド料理店で食べたサモサパイを想起させる。食物系の香りの連鎖が続く奇天烈でユニークな香りだ。
スパーシーでオリエンタルな香りではあるが、ウードが持つ宗教的で深く瞑想的な香りとは異質で、エスニックショップでショッピングをしている時に香る衣料品やインセンスが混ざり合ったサブカルで世俗的な陽気さを持った香りであったり、インド料理店のキッチンから流れでる、ガラムマサラのような香りのようでもある。
日常的にオールマイティーに使用するメインの香水では無いが、気分を切りかえたい時、少し個性的な演出をしたい時には、印象を変化させる面白い香りだ。
香りの構成
トップノート:ベルガモット、レモン、エレミ
ミドルノート:ナツメグ、テンプルインセンス、ジンジャー
ベースノート:アンバー、ムスク、ラブダナム
◇ベルガモット
ベルガモットはオレンジやレモンと違い、食用には使用されていない柑橘系。果実は苦味があり、フローラルな香りもする柑橘の香り。紅茶のアールグレイの香り付けに使用されている。
◇レモン
◇エレミ
樹脂系、柑橘系の香りにウッディな香りとスパイシーさが混ざった香り。
エレミは、フランキンセンス(乳香)やミルラ(没薬)の近縁種で、中東ではこれらの植物と同様に数千年前から利用されてきた。
◇ナツメグ
◇テンプルインセンス
◇ジンジャー
◇アンバー
アンバーは甘く落ち着きのある香りで、オリエンタルなフレグランスに欠かせない。ムスクと同様、動物性の香料で独特の色気を醸し出す。アンバーはマッコウクジラの結石から採取されるセクシャルな香り。
◇ムスク
元来ムスクはネパールやヒマラヤなどに生息するシカ、雄のジャコウシカから採れる香料だった。現在、ムスクと言われているのは合成ムスクで、人工的に本物のムスクの香りに似せてつくられた香料の総称。
◇ラブダナム
ラブダナムは地中海沿岸の暖かい気候に育つ。春から夏にかけて樹脂を分泌し、その樹脂や樹脂から抽出したオイルをラブダナムとして使用する。ラブダナムはロックローズやシスト、シスタスなどとも呼ばれる。